ビートの育苗 その②
こちらは、播種から4週間経過したビート苗の様子です。キトサン散布をすでに5回、育苗ローラーを7回もかけて、植物ホルモンのエチレンを誘導した結果、とても良い根が育っています。エチレンは物理的な接触によって誘導されます。細胞のタテ伸び(徒長)を抑えて、ガッチリと丈夫な苗にしてくれる植物ホルモンです。
ムギ踏みやムギ撫でも同じですが、エチレンは物理的ストレスやそれで生じる細かな傷などにより誘導されます。エチレンは殺菌作用もあるガスなので、傷口からの病原菌感染からも守ってくれます。
育苗ローラーとは表面はブラシの様になっているローラーで、苗の上をコロコロ撫でていくことで、物理的ストレスを与えるものです。この物理的ストレスにより細かな傷が修復されるときにより丈夫な苗へと変わっていきます。厚みのある葉、太い茎、しっかりした根などです。
散布や潅水によりキトサンが植物に接触するとエチレンが誘導されます。植物がキトサンを物理的ストレスと感じて反応する仕組みです。キトサンは微生物の細胞壁成分でもあるので、植物細胞の受容体でキチン分子を感じて様々な感染防御機能を高めます。
育苗ローラーによる物理的ストレスと、キトサンによるストレスにより、苗が鍛えられて、こんな元気な根が育っているんですね。
もうすぐ移植の時期です。早い活着とその後の初期生育でスタートダッシュが期待できます。
▶苗半作もご覧ください。