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菌根菌の共生とキチンの役割

注目されている菌根菌は、植物の根に共生し、植物から液体炭素(糖)を受け取る代わりに、広く菌糸を伸ばして土を捕まえ、リン酸などを植物に供給することはよく知られている。また、菌糸には窒素固定菌も付くので窒素の供給もしてれる。菌根菌は、真菌、または糸状菌とも呼ばれる、いわゆるカビの仲間で、植物にとっての病害性のカビとも同じ仲間である。ということは、植物は病害性のあるカビと共生する有益な菌をどのようにして見分けているのだろうか?


米国オクラホマ大学や英国ケンブリッジ大学による2024年にCELLPRESSに掲載された研究を紹介します。


キチンの認識に必要な受容体は、アーバスキュラー菌根菌(AMF)の共生を促進し、根の共生と免疫を区別している



植物はアーバスキュラー菌根菌(AMF)と共生関係を築き、特に栄養が限られた条件下での栄養摂取を促進する。このパートナーシップは、植物がキトオリゴ糖(キチン)やリポキトオリゴ糖などの真菌シグナル分子を認識する能力により成り立っている。マメ科植物(Medicago truncatula)では、キトオリゴ糖は同じリシン-モチーフ-レセプター様キナーゼ(LysM-RLK)、特にCERK1とLYR4を介して、共生と免疫の両方の応答を引き起こす。植物と真菌の関わりは、免疫と共生のシグナル伝達の結果によって性質が異なるため、識別が必要である。


LYK8はCERK1と相互作用し、共生シグナル伝達のキトオリゴ糖活性化に必須と思われる受容体複合体を形成しており、植物がこれらの相反するシグナル伝達プロセスの活性化を区別するのにキトオリゴ糖が役立っていると結論づけた。



要点

-LYK8は菌根菌共生においてCERK1と機能的に重なる

-LYK8はキチンに結合できないが、キチンを介した共生シグナル伝達に関与する

-LYK8はキチンが誘導する植物免疫には必要ではない

-LYK8はCERK1およびDMI2と受容体複合体を形成し、共生シグナル伝達を活性化する

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