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キトサンでジャスモン酸を誘導


ジャスモン酸(jasmonic acid)は、植物ホルモン様物質。果実の熟化や老化促進、休眠打破などを誘導する。また傷害などのストレスに対応して合成されることからエチレン、アブシジン酸、サリチル酸などと同様に環境ストレスへの耐性誘導ホルモンとして知られている。 分子式 C12H18O3。略称 JA。~Wikipediaより


上のグラフは、トマトの若苗の葉脈を傷つけたあとのジャスモン酸の経時変化です。2時間ほどで急激に増加しています。


ジャスモン酸の生理作用は、「新しい植物ホルモンの化学」小柴恭一・神谷勇治/編によると、花粉が飛ぶときの葯の解列、つるの巻きつき、ジャガイモなどの塊茎形成、病虫害などによる病害応答、傷害応答などがあります。そして、最近の研究では、高温・乾燥耐性にも深く関わっていることが分かってきました。

参考資料:新しい植物ホルモンの化学 小柴恭一・神谷勇治/編 P.153


キトサンがジャスモン酸を増加させる!

1995年のアメリカ科学アカデミー誌に掲載されたワシントン州立大学生物化学研究所の発表では、トマト苗の葉脈に傷をつけた試験区とキトサンの試験区との比較では、無傷の試験区に対しては10-15倍、傷のある試験区に対しては2倍以上のジャスモン酸が増加が確認されました。


ジャスモン酸誘導の切っ掛けは、傷害、病原菌、UVなどによるストレスです。キチンやキトサンは植物にとっては、病原菌の細胞壁成分と誤認識されるため、ジャスモン酸誘導のきっかけになります。


キトサン散布でジャスモン酸を誘導することで、ジャガイモの塊茎形成が促進され、玉揃いがよく収量UPに貢献しています。また、高温・干ばつでは、気孔の開閉を調整することで、高温・乾燥の耐性を高める働きも注目されています



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